FIMAレポって何?日米共同介入まとめ

FIMAレポって何? 投資

2026年7月末から8月の頭にかけて、
約28年ぶりの日米共同介入が行われました。

今まで為替介入は何度か見てきましたが、
他国の協力が入ったのは今回が初めて。
どういうことか色々調べてみると
「FIMAレポ」とか「外為特会」とか
分からない単語が続々と……(泣)

という訳で、今回は
自分の頭の中の整理も兼ねて
日米協調介入について
まとめてみたいと思います。

今回の「日米協調介入」の流れ

まず、今回の日米協調介入の流れを
時系列でまとめます。

7月30日(木)

  • 日本政府・日銀が1回目の円買い介入実施
    (推計6〜7兆円規模)
  • NY連銀(米国当局)レートチェック実施

7月31日(金)〜8月1日(土)未明

  • 東京時間:円安に戻り、日本2回目の介入実施
  • NY時間(日本時間31日夜〜1日未明)
    米財務省(NY連銀)が介入に参加
    (ユーロ等を売り円を買う)
  • 日本側もNY市場で3回目の介入実施

8月1日(土)〜8月2日(日)

  • 一部報道や関係者への取材により
    「7月31日に日米協調介入が行われた」
    事実が発覚

8月3日(月)

  • 片山財務相が日米協調介入の実施を公式発表

片山財務相は財務大臣談話で
「過度な変動や無秩序な動きに対処した」と発言。
今後も更なる協調介入を辞さない姿勢を示し、
米FRBの「FIMAレポ・ファシリティ」を
活用する方針も明らかに。

今回の介入で、円は一時155円台前半まで上昇。

ーーと、ここまでが今回の
日米共同介入の流れです。

なぜ米国が協力してくれたのか

今回の介入でまず疑問に思うのは
なぜ米国が協力してくれたのか、です。

理由として指摘されているのは、

  • 行き過ぎた円安・ドル高が、
    円キャリー取引解消などの巻き戻しで
    米国債市場にも波及しかねないため
  • ベッセント米財務長官自身も、
    円の過小評価を是正する動きを支持する
    立場を示していたこと

辺りになるんですが、個人的には

……要は、
米国債売るな
ってことでしょ?

だと思っています。

日本は米国債の保有率が世界一です。
それを為替介入のたびに売られたら
困るのは米国でしょう。

あと、投機筋への牽制という
意味合いも強いと思います。
日本単独での介入は効果が薄いので、
日米が足並みを揃えることで
「本気度」を演出したのではないかと。

トランプ大統領は
「日本が助けを求めた」「友情の証し」
といった発言をしてますが、
米国の金利・市場への悪影響を防ぎたい
というのが本音だと思われます。

「米国債を売らず、借りて」介入した

今回の介入における一番のポイントは
米国債を売らず、借りて介入した
という点だと思います。

今回の介入では、
保有する米国債を売るのではなく
米国債を担保にドルを借りて円を買う
という手法をとっています。

その際使用されたのが
FIMAレポ・ファシリティ
というNY連銀の仕組みです。

FIMAレポは、上限600億ドル、
期間はオーバーナイトか7日間の短期。
日本政府が米国債を担保に差し出し、
短期的にドルを借り入れる仕組みで、
米国債を売却しなくてもドルを調達できます。

なぜ、売らずに借りたのか。
米国債を売却すると、米国債の価格が下がり
金利が上がってしまうリスクがあり、
それは米国にとっても困る話だからです。

「売らずに借りる」ことで、
日本:即ドルを調達できる
米国:米国債市場への副作用を回避

という双方に好都合な方法だったわけです。

ただ、ここで疑問が1つ。

介入時に借りても
7日で返すんじゃ意味なくない?

返すのはドルなんだから
そこで結局円売りになるじゃん

とClaudeに聞いたら、
「ロールオーバーで期間延長、もしくは
手持ちのドル資産で時間をかけて返済可能」

という返事が返ってきました。

つまり、介入時は借りて一気に投入し、
返済時はちまちま売ってちまちま返す、
という米国市場に優しい方法がとれる、
ということらしいです。

でも、借金でしょ?
利子取られるから損じゃん

と聞くと

「金利が上がった今、昔買った米国債を売ると
損が出る。(価格が下がっているから)
でも保有し続ければ額面通り償還されるし利息も入る。
だから売らず、担保にして少しだけ利子を払う方が
結果的に得なケースもある」

とのこと。
単純に利子取られるから損、
という訳でもなさそうです。

今回、ドルを借りて介入したことは
米国債市場への影響を抑えたこともありますが
なにより

「これからはいつでも介入できますが
 覚悟はよろしくて?」

という強烈なメッセージを
市場に送ることができたことが
大きいのではないかと思っています。

日本の単独介入が続いた場合、
弾切れを予測することができますが、
FIMAレポを使えば予測できなくなる。
投機勢に対しては非常に有効だと思います。

今回の介入に関する2つの誤解

最後に、今回の介入に関する2つの誤解について
お話ししておきたいと思います。

誤解1:税金が使われている

まず、為替介入に税金は使われていません

Xを見てると「国民の血税を無駄遣いして!」
みたいな投稿が流れてきますが、為替介入は
外国為替資金特別会計(外為特会)という、
一般会計とは別の会計で行われます。
介入の原資は主に政府短期証券(FB)という
短期の借入金で、私たちの払った税金が
直接使われているわけではありません。

誤解2:利確した

もう1つは「利確した」という見方です。
今回は資産を売らず、担保に出して
新たに借金をしただけなので、
売却も利確も発生していません。

ちなみに、FIMAレポを使わずに
外貨資産を売って利益が出たとしても、
そのお金は借金(政府短期証券)の返済に
充てることが決まっていて、
減税などの新しい財源には使えません。
この点は官房長官も国会で明言しています。

厳密に言うと、外為特会の利益の一部が
一般会計に使われることはあります。
ただ「消費税減税の5兆円分を補填」とか
そんな額では全然ないので、
そこはカン違いしない方がいいと思います。

おわりに

今回の介入で一時155円台まで円高が進みましたが
今は157円台まで戻しています。

やはり、介入は一時しのぎでしかない
という事を実感しています。
日本の経済構造を根本的に変えなければ
円安は止まらないでしょう。
これからの政策に期待したいと思います。

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