下げ相場で「いったん逃げる」のはアリかナシか

逃げるのはアリ?ナシ? 投資

ここ最近の下げ相場で
「NISA損切り民」なるパワーワードが
また見かけられるようになりました。

最初にこのワードが出たのは2024年4月。
中東情勢の悪化から下げモードになった時
新NISAで投資デビューしたものの、
早々に撤退してしまった人を
指す言葉として生まれました。

この時はオルカンでは3%の下落と
全然大した事なくて、
「あ~あ、もったいない・・・」
くらいで話は済んでたんですけど、
今回の下げはちょっと話が違う。

教科書的には「ガチホ一択」
そんなことは百も承知なんですが
掲示板のやり取りとか色々見てて
ちょっと思う所があったんで
今回はそこら辺を語ってみたいと思います。

特定口座とNISA枠

まず、同じ「売却しました」でも
特定口座とNISA枠では意味合いが
違ってくると思うんですよね。
なんか、そこら辺が混ざっちゃってるな~
と思うので一旦整理してみたいと思います。

例えば、新NISA始まる前から
特定口座で運用してた人。

こういう人にとっては
NISA枠埋める=特定からのお引越し
だったりすることが多いので、
特定口座で保有してる商品を
売却するのは、ある意味当然な訳で。

この場合は利確というよりも
念のため来年のNISA資金を先に確保
って事なんだと思います。

後、新NISAデビュー組で
今年の枠はもう埋めちゃったけど
まだお金あって遊ばせとくのもったいない
ってんで、来年以降のNISA待機資金を
特定で回してる人。

これも、売却してNISAで買いなおす事を
前提とした短期投資なので
利益があるうちに売るのは
ある意味当たり前。

だって、ほっといて元本割れたら
来年のNISA枠埋められないかも
しれないじゃないですか。
そりゃ、利益あるうちに売りますよ。

こういった人たちの「売りました」を
「逃げた」ととらえるのは
ちょっと違うんじゃないかなー、
と思うんですよね。

さて、それに対してNISA枠。

NISA枠って長期投資が前提ですよね。
しかも年360万までという縛り付き。

確かに「売却すると翌年に枠は復活」
しますけど。
例えば、今年年初一括した人が
「下がった~‼」って全売却したら、
来年360万+復活360万で720万
投資できる訳じゃないですからね?
普通に360万だからね?
枠復活するのは実質5年後ですからね?

これで売ろうという人の気持ちが
さっぱり理解できない(汗)
今年のNISA枠がもったいない‼
とは思わないのかなあ・・・。

100歩ゆずって、それまでの投資金額が
180万以下ならどうか考えてみました。
これなら、まだ枠が半分以上残ってるので
売却しても今年のNISA枠で
買いなおす事ができます。

まだ含み益があるうちに利確して
下がったところで再イン。
うん。気持ちは分かる。
分かるんだけど・・・
これって、タイミング投資ですよね?
私は、やらないかなぁ・・・
(これに関しては後で書きます)

という訳で、私的には
特定口座:アリ
NISA枠:基本ナシ

です。

利確と損切り

ここからは、NISA枠
オルカンやS&P500を買ってる人
という前提で話を進めていきます。
(個別株だと話変わってくるんで)

利確

今年の1月から始めた人は
7月までは含み益でウハウハでしたよね。
で、そこから下げ相場に入って
どんどん含み益なくなって
ついには含み損に・・・。

今回利確した人は
下げ相場に入って早々に逃げた人。
「プラスの内に逃げられてよかった」
って思ってるんじゃないでしょうか?

でも、そんな人に1つ聞きたい。
その回収したお金、どうするの?

私が考えたパターンは3つ。
1.投資怖い。もう止める
2.小額積立に切り替え
3.下がったところで再投資

順番に見ていきたいと思います。

まず、もう止める。の人。
せっかく始めたのにもったいないな~
とは思うんですが、
お金より心身の健康の方が大事ですから、
それもアリだと思います。
お疲れ様でした!

次に小額積立に切り替えの人。
「早く・大きく」の言葉を信じて
投資に回せるお金のほぼ全てを
NISAに突っ込んじゃった人、
いると思うんですよね。

最低限の生活防衛資金はあるけれど
それ以外の余剰金を全ツッパしてれば
下がっていく時の恐怖はハンパない
と思います。

こういう人は
自分のリスク許容度の確認ができた
と捉えればいいんじゃないかな?
と思ってます。
いったん仕切り直して、これから
コツコツ積立でやってくのが
いいんじゃないかなー、と。

最後に下がったところで再投資の人。
私的には、このタイプの人が
一番キケンだと思ってます。

まず逃げ癖がつく。
1回コレをやると、何度も同じこと
繰り返すと思うんですよね。

後、再現性が低い。
いったん利確して逃げて、
下がったところで再イン、というのは
投資やってる人は、おそらくほぼ全員
一度は考えた事があると思うんですけど
これはタイミング投資と言って
インデックス投資では非推奨なんですよ。

これをやるには
天井と底を見極めなきゃいけないんですが
それを百発百中当てられる人は
まず、いないと思います。

1回2回なら偶然上手くいくことが
あるかもしれないですけど、
それをずっと続けるのは、無理がある。

だから、みんなガチホするんですよ。
タイミング読むの諦めて。

それでもやりたい!って人は
やってもらって全然かまわないんですけど
私から言えるのは、それをやるなら
特定でETFでやった方がよくない?
ってことです。

少なくとも
NISA口座で
オルカンでやる事ではない

と思ってます。

私は年齢的にもう後がないので
NISA枠の商品を売る、という発想は
1ミリも無いんですけど(笑)
まだ若くて、NISA枠埋めるのが
1~2年遅れても構わないって人が
利確して一旦逃げるのは
基本ナシではあるんだけど、
ギリギリセーフなのかなぁ・・・
と個人的には思ってます。

損切り

今まで調子よかったのに、
突然下げ始めて、気が付いたら
評価損益がマイナスに・・・
これ以上下がるのに耐えられない!
と売ろうとしてるアナタ。

ちょっと待って‼

それ、アカンやつ!
絶対アカンやつだから‼

もうね。マイナスになった時点で
逃げ遅れたの認めましょう。
そしてプラスになるまでつきあう
覚悟を決めましょう。

実際に売ってしまわない限り
どんなにマイナスでもただの数字。
勝負は終わってないんですよ。
諦めたら そこで試合終了ですよ
って安西先生も言ってるでしょ⁉
(©スラムダンク)
プラスになるまで試合続けられるのに
自分から終了してどうすんの⁉

もうね。
証券口座の数字なんて
ドラクエのカジノのコインと同じ
くらいに考えてればいいんですよ!
ひたすらボタン押し続けてれば
そのうちまた増えてきますから‼
・・・多分(おい)

という訳で、私的には
損切りはナシです。

しいて例外を挙げるなら
70代で株価の回復を待てない人や
どうしても急遽お金が必要になった人
くらいですかねえ・・・。

とにかく、損切りしたくなったら
売却ボタン押す前に
まずはブログでも本でも何でもいいから
もう1回インデックスファンドの仕組みと
「15年で元本割れの可能性消失」
の例のグラフを確認してみて下さい。
そうすると、少しは落ち着くと思います。

まとめ

今回は、下げ相場でいったん逃げるのは
アリかナシか、というお話だったんですが、
私的には
特定口座の利確はアリ。
NISA枠での利確は基本ナシ。
損切りは絶対アカン!です。

特に最初の投資で損切りすると
次の投資がマイナスからのスタートになるので
そのマイナスを回収するために
より高いリターンを狙わなくては
いけなくなって、ハードルが上がるんですよ。
だから損切りだけは、ほんっっっとーーーに
止めた方がいいです!
(※あくまでも個人の見解です)

では、今回はこの辺で。

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